乗車券類4

次は、「記念乗車券」の話題です。

山口市交通局は、先に触れたように、公営企業体として山口市の政策の一翼を担う存在でした。
そのため市政の広報的な要素を備えた物品の配布を行う事例もあり、現在でも多くが収集されています。
また、「記念品」が実際に使われるケースは稀であるため、まとまった現金の獲得手段としても、重要な存在であったと推測します。
 
以下に紹介するのは、経営が難しくなり始めた昭和末期前後に相次いで制作されたものです。

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■現在でも未使用品が大量に残るといわれる、パズル型乗車券。山口市制60周年記念のもの。平成元年。
 パズルピースのうち5枚が、各100円の乗車券になっている。

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■上記から10年前の、山口市制50周年記念のもの。一般的なデザイン。昭和54年。

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宇部空港線の開通記念。「空港特急」として掲載されたのは、999号車。昭和57年。

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山口県庁の新庁舎竣工記念。表紙はパスポート型の真っ赤なデザイン。昭和59年。
 乗車券は、掲載のページとは別のページから切り離して使う。

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■済南市(中国)との友好都市締結を記念したもの。昭和60年。

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■昭和61年度の高校総体を記念したもの。団扇の「柄」の部分が乗車券になるという、尖ったデザイン。

記念乗車券は、その性質上、ユニークなデザインのものが多く採用されています。
宇部空港線の頃までは割と常識的なデザインでしたが、県庁竣工記念でパスポート型に挑戦し、高校総体で団扇型に、そして市制60周年ではまさかのパズル型になるという変遷を遂げました。

パズルが運賃箱の小銭選別機に詰まったりしなかったのでしょうか・・・。