乗車券類2

続いて、「乗車券」の話題です。

「乗車券」という単語は漠然としていて、少し分かりにくいかも知れません。
文字どおり「乗車」するための「券」なのだと思いますが、ワンマンバスしか知らない私にとっては、鉄道と同じように使用するのだろうと推定はするものの、実は詳しい使用方法はよく分からないものになります。
従って、以下のご紹介には誤りがあるかも知れませんので、予めご了承ください。

イメージ 1
■何も書かれていない質素な「乗車券」綴りの表紙。「見本」のゴム印が印象的。

イメージ 2
■開けて驚愕の文字の羅列。路線の西端は宇部駅を遥かに超え、厚狭駅までの停留所名が光る。

そうした経緯ながら、この「乗車券」とは、現物から逆に使用方法を推定すると、恐らく車掌が常時携行する物品のひとつで、乗車時または走行中に料金を収受しながら、乗客側に交付するものなのではないかと思われます。

券面には各停留所のほか、日付、時刻、上下線や乗換等をチェックする箇所があり、車掌が乗客から聞き取った内容を、直ちにペンで記入し易いよう配慮されているように見えます。

イメージ 3
■乗換時の乗車券。こちらの表紙面には題字がある。

イメージ 4
■乗換券の印字色は緑。時刻の記載欄が大きい。

バスの黄金時代は乗客を収容しきれず続行便を出す有様だったと伺いますので、満員の車内でこうした細かい集札・集金業務を行う車掌の労働環境とは、現代からみれば相当過酷を極めたことでしょう。
記憶力、会話力、計算力などを試されそうです。

この冊子の性質上、こうした状態で存在することは極めて稀な事例と考えられます。
博物館級の逸品として、保管しなければなりません。