時計について3

仕方なく、おっかなびっくりで分解したところ、この時計は大手車両時計メーカーの「ジェコー」製ということが分かり、端子のプリント基盤面には「C+」「D+」「L+」「GND-」と書かれてありました。
「GND-」は間違いなくアースと判別できたのですが、残りの意味することは、ぱっと見ただけでは機能が全く分かりません。

色々と検索してみたところ、80年代の国産乗用車に装着されていた同社製の時計には、これと同じ端子表記をみかけましたので、どうやら「B+」とかになる以前の古い様式のようです。

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■分解した端子基盤。「D+」「L+」「C+」「GND-」の表記が見える。本体基盤とは銅線をファイルしたもので結線。
 なお、この写真は私が改修している途中のもので、本体に実装された抵抗器は本来のものではない。

結局、プリント基板に装着されている電子部品の種類や規格等をちまちま全部検索し、一つずつ知識を得て、オームの法則?や何かの数式(笑)を用いて独学・独善的に回路図(のようなもの)を書いてみた結果、「C」がバッテリー電源、「D」がアクセサリー電源、「L」がイルミ入力であること、そして規格電圧は12Vであることが、"推測"ながら判明しました(※)。

※Dラインは抵抗を経由して蛍光表示管と集積回路に入電、Cラインは電解コンデンサ、セラミックコンデンサを経由してクォーツに入り、さらに集積回路に入ることから、Cが常時電力を必要として"時を刻む"機能を有していると判断。Lラインは抵抗を経由して、いきなり集積回路に入る。
※Dライン、Cラインともに回路の途中にツェナーダイオードがGNDラインとの短絡線の間に入り、それぞれ4.7Vと15Vであることから、12Vで駆動すると判断。24Vと共用の可能性もあるが、抵抗器の耐久性が疑問。電解コンデンサの容量は16V仕様。

特に12Vだったというのは驚きで、バスは通常24Vですから、この小部品のために、わざわざ車体側に降圧回路か何かが組み込まれていることになります。
恐らく部品自体は、乗用車用の汎用品なのでしょう。

また、これも全く知りませんでしたが、表示には「蛍光表示管」という部品が使われており、この機会に仕組み等を勉強することが出来ました。

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■初めて知った「蛍光表示管」という部品。液晶の一種かと思っていたが、なんと真空管の一種という。

 一方の故障原因ですが、この蛍光表示管の一部が焼け焦げていましたので、熱によるものか、寿命によるものと考えました。
それでも一応、手持ちの12V電源を使って通電試験をしてみることに。