交通電業社「OS-7102」その2

山口市営における、交通電業社製方向幕の出現は昭和62年で、「う363」号車の路線化改造に際して採用された事例が、最初のものと考えられています。

私が初めて同車に乗車したのは平成3年頃で、貸切車の転用という出自と相まって強烈なインパクトを残しましたが、中でも方向幕の操作盤は、従来とは全く異なるデザインであったことも忘れることが出来ません。

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■廃車後に留置された「う363」号車の運転席。既に機器は撤去されているが、路線化改造の痕跡を残す。

その操作盤「OS-7102」は、従来の操作盤に比べて操作ボタンや電飾の配置が綺麗に整っており、赤いデジタル表示を伴うため、同社の運賃表示機スイッチ「OS-L102」型や、小田原社製の整理券操作盤「100GDR」型との見た目の相性も良く、オージ、三陽、東洋など他社のバス用操作盤機器の中でも、OS-7102ほど「カッコイイ」ものは見当たらないようにさえ思えてしまうのです。

そのため実際の性能以上に私には先進的、高性能機と映り、操作してみたい衝動は高まるばかりでした。

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■件の方向幕操作盤「OS-7102」型。平成22年の「う3056」号車のもの。下は整理券操作盤。
 このころまでの山口市営MK型車では、上下、左右方向に操作盤の配置がやや甘く、せっかくの統一感を損ねるが、次級の「う3106」号型からは、各操作盤の位置が揃い、完成形の様相を示す。

その後に導入された新製の路線車には、全てこのOS-7102が採用されたようですが、当然現役の車両ばかりでしたので、私が実物を操作できるような機会は、遂に訪れなかったのです。