時計について9

この頃、実はプリント基盤の裏側は大変なことになっていました。

もともと本機は部品の頻繁な着脱を想定していない設計のようですが、この時点で抵抗器を5回も除去し、下手なはんだ作業という悪条件が重なった結果、抵抗器を取り付ける基盤の「ランド」という部分が殆ど剥がれ落ち、いよいよ基盤がはんだを受け付けなくなりました。

「ランド」の剥落は、どうやら修復することが出来ないほどの重大なもので、素人は窮地に立ちます。

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■剥落した「ランド」。はんだを受け付けず、実装困難に陥る。

剥落の原因は、後で知ったことではありますが、掃除を怠ったコテ先は真っ黒に酸化して「はんだ」が上手く乗らず、熱伝導が不均一となった結果、「イモはんだ」が連発され、ランドと接着していないと思って抵抗器を引き抜こうとした際に、少し接着されていたランドが、はんだと共に剥がれてしまった、というお粗末なものです。

コテ先が真っ黒なのは、過去10年間で気にもしていませんでしたが、色々調べてみると非常に宜しくない状態のようなので、結局「コテが悪い」と思いこみ、5,000円もする温度調整式のはんだコテ、及びコテ台(スポンジ付き)等を購入するに至ります。

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■購入した温調式の新コテ。通販なら安価なものも多数あったが、日本製に拘った。しかもこのメーカーは広島 
 県の企業なので、なおさら応援したい。

しかしこの時点で出来ることを考えてみますと、既にランドは使えませんので、抵抗器は基盤に実装出来ません。
仕方ないので、抵抗器は機体外のDラインに接続する方法を模索します。

そのため基盤の本来の抵抗器の位置には、基盤表面の薄いフィルムを剥いて銅板を露出させ、ランド付近を短絡させることで回路の途切れを埋めました。

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■短絡させた旧抵抗器の定位置の図。素材は、はんだ吸い取り線を再利用したもの。

抵抗器を機体外に装着するのは、デザイン的にも避けたかったのが本音ですが、やむを得ない措置です。

改めて機体を組み立てから、今度は360Ωの抵抗器2個をクリップして「ミステル」を組み、180Ωの抵抗を合成して通電試験をしてみます。